ども、エンジニア職を離れて半年程になる Qtaro(@Daisuke_9taro)です。
僕は今年2014年に4年程勤めていた会社を退職し、現在はフリーランスのWeb屋として活動しているんですが、前職はSE(システムエンジニア)をしていました。
で、エンジニア時代はそれこそいろんな案件に関わらせて頂いたんですが、今回は僕が一番最初に付いた仕事(プロジェクト)で一緒だった先輩SEの話をちょっとしてみようと思います。会社こそ離れてしまいましたが、僕はその先輩のことを今でも
凄く尊敬しています
自分が客の立場でもこの人なら仕事お願いするだろうなーと。そう思わせてくれる人です。
当然その印象は僕だけでなく当時の顧客の方々も抱いてくれていましたね。
「この人は信用できる」と。
ただこう言ってはアレなんですが。。その先輩はSEでありながらさほど技術力は持っていない方でした。それ自体は当時新人当然の自分とそんなに大差ないくらいだったかなと。
でも確かにプロジェクトを成功へと導き、顧客から絶大な信頼を得る力を持っていたんです。
僕がこれからどんな仕事を続ける上でもその背中を意識しないことはないであろう、そんな頼れる先輩の「愛され能力」をこのエントリーでは紹介してみようかなと思います。
[toc]
顧客にも仲間にも頼られる先輩SEの5つの魅力
話を理解して頂きやすくする為に
今回話の主役である先輩を、以下仮称で「佐藤」さんとさせていただきます。
ではでは、早速5つの魅力を紹介していきましょう〜。
①嘘をすぐ認めることができる(誠実である)
とにかく佐藤先輩は嘘をつかない人でした。
というか多分つけない人でした。嘘に限らず考えていることはすぐ顔に出ます。
褒められるとニヤけるし
失敗すると「火ぃでるんじゃねーか?w」ってくらい顔を赤らめる人です。
ただ馬鹿正直かと言うとそんなことはなく、もちろん嘘を全くつかないなんてワケもなく。
なんというか、場を和ませる嘘を使うのは上手い印象でしたね。例えばこんな感じ。
- 顧客「この機能をこんな感じで仕様変更したいんだけど、ざっくりおいくらくらいかなぁ?」
- 佐藤「んーそうですねー。。●●くらいあればいけると思いますけど。。」
- 顧客「え?そんなに安いの?ホントに〜??(ちょっとニヤリ)」
- 佐藤「あ。。いや、言い過ぎたかもしれないですw △△くらいかなぁ。。w」
- 顧客「でしょーw だと思ったー」
- 佐藤「すいませんー。。w 自社に持ち帰ってちゃんと見積もりしてもらいますね」
クリティカル場面ではもちろんそんな嘘はつかないし、
その場の空気作りやその後の進行をスムーズにすすめるためにそういったやり取りを挟んでいたという印象を僕は持っています。
あ、今盛ったな〜、言い過ぎたな〜、嘘だったな〜というときは
すいません嘘でした
と気付いたタイミングで正直に告白できる。
そういった能力が非常に高かったと思います。
②誰にでも「カッコつけない」で接することが出来る
①の例でなんとなく雰囲気を感じて頂けると思うんですが
佐藤さんは誰からも弄られるキャラでした。社内の人間からはもちろん、顧客の方からも。
その距離感は仕事上でも変わらず、本来なら任せっきりになりがちな小難しいシステムに関する話にも佐藤さんの話には積極的に興味を持って顧客の方々も参加してくれていました。
なぜこんなに顧客から積極的にアクションしてもらえるんだろう?..と僕は当時観察していたんですが、見ていて気づきました。佐藤さんは圧倒的に
付け入る「隙」
を与えるのが上手かったんですよね。
システム案件にあちがちな、分かってる「つもり」
システムの仕事は顧客とのリテラシーの差によるものだったり、何かと互いの意思を
分かったつもり
になりがち。そうすると気づかないうちに認識の差異が膨らんで行き、最悪プロジェクトが大炎上。。なんてことになってしまいます。
仕事とは言っても結局は「人」と会話しているので、自分の知らない世界の話を小難しく一方的に話されては相手も興味が湧きません。でもそれが分かりやすく付け入る隙を与えることで意見を交わすキッカケが生まれ、コミュニケーションは活発になります。
手を動かすのはもちろん自分たちの仕事
ただ、その質を高めて満足度の高いものにするには
顧客に積極的に参加してもらえることが何より重要
そんな感覚を大事にしているからこそ
困難な状況でも的確に軌道修正することが出来ていたんだと思います。
③相手の目線・状況に合わせた「届く」言葉選びが上手い
実は佐藤さんは転職でエンジニアになった人で、前職は全く異なる業種で「営業」をされていた方でした。そういった経験もあってか、自分が理解するための言葉と、人に伝えるための言葉を上手く使い分けていましたね。
特に、良からぬ事態(システム的に言うと「障害」とか)の説明をする際
システム的な現象を細かーく細かーく説明するのではなく
どういった業務影響があるのか?
どういったビジネスリスクが想定されるのか?
自分たちエンジニアの領域の言葉ではなく、顧客が判断をする上で必要であろう情報を分かりやすい表現で伝えることを凄く大切にしていました。あとは
- 良い状況では意図的に安心感を与える
- 悪い状況では意図的に危機感を与える
そういった言葉選びにも非常に長けていて
これが良い状況でも悪い状況でも感謝されることに繋がっていたと思います。
④「共感」をすごく大切にする
佐藤さんと顧客との会話で凄く感じたのが、互いの「共感」を確認するやりとり。
自分たちがするITの話は身近に感じさせ
顧客の業務は必死に勉強し理解しようとする
そういった努力を惜しまない人でした。
人はやはり自分の状況を共感してくれる人に対しては信頼度が高くなります。
「自分たちの役割はシステムを健全に動かすこと」とバッサリするのではなく
顧客業務目線でも気になるところがあれば、とりあえず聞いてみる。
すると結果それが杞憂だったとしても「あ、佐藤さんは自分たちの業務のそのへんのことは分かってくれているんだな..」という、認識を与えることが出来ます。
コトの重要性の理解度は信頼関係に繋がる
こうすることで、いざ顧客が自分たちに依頼する場面でも、会話のレベルを調整しやすくなり、お互いの意思がスムーズに伝わるようになります。
全てを理解する必要はないにしろ、それが
軽い話なのか
重い話なのか
そんな温度感をサッと共感出来るだけでも、仕事のスムーズさというのは全然変わってきます。
そういったものを感じた上でコミュニケーションが出来るというのは、頼っていただくためにはすごく重要な要素だったなーと思いますね。
⑤なんだかんだぶっちゃけてくれる
で、そんな頼れる佐藤先輩なんですが、もちろん上手くいかない時もあります。
例えば上手くいかないことが続き、ミーティングでこってり絞られた。
そんなときはこんな感じ。
- 佐藤「Qtaro君..ちょっといい..?」
- きゅ「??どうしたんですか?」
- 佐藤「俺..そんなに悪いことしてないよね」
- きゅ「?!してないすよw さっきの気にしてるんですか?」
- 佐藤「そうか..いやー今日のはすげぇ凹んだわ..」
- きゅ「僕も協力しますんで、頑張りましょう」
- 佐藤「そうだね..次は良い報告できるように頑張ろう」
こんな感じで、思ってることを素直に後輩の自分にも吐き出してくれました。
これを「大丈夫。気にしなくていい」と抱えられると仲間としてどうしようもないんですが、こういうぶっちゃけをしてくれることで、周りを上手く巻き込み、仲間はより協力的になるんですよね。というか下手に一人で抱えこむことは
逆に関係者に迷惑をかけます
こういった佐藤さんの「頼る能力」はピンチの場面でサポートのしやすさにも繋がりましたし、また必要と判断すれば顧客に対しても言いづらい内部事情をぶっちゃけることにも躊躇しませんでした。
結果、顧客と自分たちが双方支え合うことに繋がっていましたし、僕はこの「ぶっちゃける」ことの大切さというのは佐藤さんと仕事をしながら感じていましたね〜。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか
なんとなく、以前記事にした以下の「人間力」の話に通ずる気がしました。スキル云々関係なく「デキる」と僕が感じていたのは、こういった魅力のせいだったのかもしれません。
結局「人間力」って何?!〜「デキる」と感じさせる人に見られる7つの特徴
資格やスキルだけで仕事は成立たない
IT業界のSEの仕事と言っても、本当にその領域は広く、今回の話もエンジニア業務のほんの一礼のシチュエーションでの例のため、全くイメージが湧かない方もいらしたかもしれません。(すいません。。)
ただどんな業種の方でも、今回紹介したような佐藤さんのような方が仕事のパートナーとして就いてくれることを想像してみて、そんなに悪い印象は持つ方はいないのではないかなーと思います。
実際この佐藤さんは同じ会社の人間からはもちろん、顧客の方からも評価が高く、誰からも愛される人でした。そして実際に成果を出していました。
もちろん技術職に資格やスキルはあるに越したことはないのですが
残念ながらそれだけで信頼や仕事は得られません。
自分自身が今よりもっと頼られるために必要な「愛され能力」とは何だろう
SEの方に限らず、是非この機会に一度考えてみてはいかがでしょうか
頼られ、愛された方が仕事は絶対楽しいですからね〜
それでは今回はこのへんで!