ども、Qtaro(@Daisuke_9taro)です。
さすがにこういったニュースの後は口にするのを控えてしまいますよねー。。
“危険な中国産食品”専門家が教える防御法 大手外資系の安全神話「崩壊」 (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
中国の食品会社の使用期限改ざんや虚偽報告はもちろんあまりに酷い事実。
ただ、これを「なんてヒドイんだ!」と非難するだけではなく、こういった事件から学び、意識しなければいけないこと、もしくは変えて行かなくてはいけないコトがあると僕は思うんです。
今回はそんな身の回りのマニュアルや制度への依存がもたらすリスクについての考察です。
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credit: Vishal Shah via FindCC
マニュアルや制度がもたらす「分かりやすさ」
僕らの生活にはありとあらゆるマニュアルや制度が絡んでいます。
日々の生活の一般常識的なものから、法律やルール、規則、等々。
今回の期限切れ鶏肉の問題で行けば「品質基準を判断するための制度」なんかがそれにあたります。年1回実施していたという現地視察も同類ですね。
これらに共通するのは
分かりやすさ
人に依存することもなく、意識を働かせることもなく
分かりやすい「判別フィルター」を通す事で物事の善悪を判断する、質を担保しようとする、評価しようとする。そういうもの。
もちろん「時間短縮」や「コスト削減」も大きいでしょうが、それもこの ”分かりやすさ” によって得られる恩恵だと思うんです。
分かりやすさがもたらす「弊害」
一方でこの「分かりやすさ」は正常な判断に必要な思考や行動を鈍らせる弊害も合わせ持っています。
今回の食品期限偽装の件で例えると
「この契約に基づいて、こういった検査を突破してきているから品質は問題ないハズ」
というこの状態。
本来はそこに必要な判断や人的コストで質を担保する部分をマニュアルもしくは制度が補う
形で導入されているはずですが、結果そこには抜け道がありました。
これを「今後はチェックをもっと厳しくします!」なんてのは企業のお決まりの対応ですが、それが消費者への分かりやすいアピールなのはそれはそれで良いとして、それが根本的な解決策でないことは言うまでもないですよね。
本来人の力で行うべきところを、そういったモノ(仕組み)で代替させるのは動かす対象が大きければ大きい程必要なコトではありますが、それはやっぱり人間が行う細やかな判断のソレに勝るわけはないんです。
分かりやすさとは「リスク」でもある
便利さと同時に正常な判断や行動を怠らせる「弊害」も合わせ持つ事を、僕らは決して忘れてはいけないと思うんです。
外部への「判断依存過多」は現代の課題
日本人の感覚からしたら常識的なことでも、中国ではそうではない。
今回の使用期限改ざん鶏肉を使用させてしまった件に関しても、日本企業の対応としては分かりやすいルールや仕組みの上では十分だったかもしれないけど、「実態」を課題として捉え、課題解決に向けて実際に行動に移すためにはもう一動き二動き足りなかったのは事実。
実態を見抜き、行動に移せる環境作りが必須
「そんなの外からだったらいくらでも言えること」と言われたらその通りだし、それが簡単な問題でないことは素人でも容易に想像できること。ただ、事故による実害者を出してなお
目先の仕組みの見直し
というだけの対策は絶対に十分とは言えない。
単なる手順を記した「マニュアル」だけでも、チェックをしたという事実が残るだけの「制度」でもなく、「実態」を見抜き、そこに向けて実際に「行動」できる。そんな状態をこれからの日本企業は目指していかないといけない。
もちろんその状態が実現出来たかどうかは、数字や、分かりやすい実績だけでなく
フンイキや匂いで「お、変わったな」と感じさせることを目指すべきだと僕は思います。
結局は「個」の意識の積み重ね
最後にもう一つ。
こういった状態は、僕らが日々行う目の前の選択一つ一つが目先のルールや仕組みに捕われてしまうこと、その積み重ねがこうした事故の要素となりうることも忘れてはいけない事実。
企業の判断で起こした事件も、それはそこに関わる
一人一人の判断の積み重ね
もしくは意思を持たずに判断自体をやり過ごしてしまった事がコトの原因かもしれません。
自分の思考や判断が既存のルールや仕組みによって滞ってないか
そんなシガラミを取っ払ったら実は物凄く思考を怠っていたなんてことはないか
そんなことは常に自分自身に問いていかないとなーと今回の事件で考えさせられました。
「今食べてるのは国産だから安心だねー」
消費者としても。生産者としても。
そんな滞る思考によるリスクを打破するべく必要なのは
僕ら一人一人の「実態」を見抜こうとする意識と行動ではないでしょうか。
それでは今回はこのへんで
でわでわ!
おすすめ書籍
なんでか記事書いてて昔読んだこの本を思い出しました。
これはマーケティングの話ですが、判断や行動の質って「当事者意識」の差だと思うんですよね。読みやすいし面白い、おすすめの本です。